
ファツィオリ本社まではこんな長閑な風景が続きます。

こちらが新工場兼ホール。
一通り、ピアノを造る工程を案内して頂きました。木の良い香りが漂い、とても明るい工房は大変効率の良い配置で、職人さんの手作業と最先端の技術が見事に融合していて非常に面白い工房でした。
次に、そのままF308など何台かが置かれている場でF308を数時間弾かせて頂いたあと、いよいよホールへ。工房からホールまで直通というのがまた理想的です。


ピアノはF278、通常のフルコンサイズです。
ここで落ち着いて3時間弱弾かせて頂きました。

F308(まあほぼ出来立てほやほやだから仕方がない)を弾いた時も感じたことですが、ピアノが中々起きません。
1時間弾いてようやく立ち上がってきたかな程度。最初はピアノが寝ているので、高音はモコモコして出ないし、ピアノが重たいこともあり反応がとろかったりします。しばらく弾いてピアノ全体が纏まってくると、途端に反応が良くなりダイナミックな表現が出来るようになります。ファツィオリ特有の濃く太い響きが美しく伸びて行きます。そして、ピアノが鳴り始めると、今度はとてつもなく弾きやすいピアノに変貌します。また、ホールもすばらしく、このまろやかで全帯域において何処まででも伸びて行く濃い音が美しく響いて行く様が演奏者本人にも大変よく伝わってきます。このホールはお客さんの入り方や楽器編成、音楽のジャンルなどに合わせて、音の伝わり方を調整することが出来るそうです。


ファツィオリピアノは外見も大変美しいピアノですが、音色にも独特な気品高い美しさがあり、その響きを聴いているだけでも大変な満足感に浸れます。
丁度2時間くらいたったころ、今度は音が立ってきました。これで表現の幅がかなり広がります。ショパンのバラード1番なんかは、この2時間を過ぎた辺りから段々と自分がやりたい事が増えて来ます。ハイドンのソナタ(バリエーション)Fの6番なんかは、このピアノでずっと練習していたい程です。
このピアノの変化は東京の自宅近くのショールームで弾いた時は分かりませんでした。
それに、ちゃんとした立派なホールで弾けるというのもかなり貴重な体験だったと思います。
とまあ大満足ではあるのですが、欲を言うとあと4時間くらい弾きたかった。というのもまだこの段階ではピアノが完全には起きていなかったので、その先が気になります。
まあ東京に帰れば、いつでも近所で弾けるし、まあいいか、などと自分に言い聞かせながらホールを後にしました。
このF278中々気に入っているのですが、個人的には圧倒的にF308の方が好きです。
最初に弾かせて頂いた出来立てほやほやの寝ぼけたF308ですら、楽器のスケールの違いを見せ付けてくる程です。
パオロさん曰く、ファツィオリは一生進化し続けるとのことで、今後がますます楽しみな楽器です。
大変有意義な工場見学でした。




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